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皆さんこんにちは!
金色、更新担当の中西です。
「水炊き(みずたき)」は、鶏肉をベースにした福岡発祥の鍋料理です。鶏ガラをじっくり煮込んだ白濁スープに、骨付き肉、野菜、豆腐などを加えて食べるこの料理は、あっさりとしながらもコクが深く、体にもやさしいのが特徴です。
今では全国的に知られるご当地グルメですが、その背景には福岡の歴史、文化、食の知恵が深く関わっています。
水炊きの原型が登場したのは、明治時代後期〜大正時代初期とされています。発祥には諸説ありますが、もっとも有力なのが「日清戦争から帰還した博多の人々が、中国・朝鮮半島で食べられていた“鶏の煮込み料理”にヒントを得た」という説です。
これが福岡の風土に合うよう改良され、白濁スープと鶏の旨味を活かした“水炊き”として独自の進化を遂げたのです。
九州北部では古くから地鶏の飼育が盛んで、肉・卵ともに身近な食材でした。豚骨ラーメンが生まれる前の時代、鶏の出汁は日常的な家庭の味でもあり、水炊きはそれを“ごちそう化”した存在でした。
昭和初期、水炊きは料亭や高級旅館でのおもてなし料理として提供されるようになり、県外の来訪者がその味に魅了されることで口コミで知名度が拡大していきました。
「油を使わず、野菜と肉の栄養が摂れる」という点から、戦後の栄養改善運動や現代の健康ブームとも相性が良く、全国的な人気へとつながっていきました。
有名な水炊き店「新三浦」「長野」「博多華味鳥」などは、老舗としてメディアでも多く取り上げられ、観光客が行列を作るほどの人気に。
地元民も日常的に楽しむ料理でありながら、“特別感”のあるメニューとして、接待・会食・家族の集まりなど幅広く利用されます。
また、スープ・ポン酢・薬味といった**“食べ方の流儀”がある**のも、水炊きを深く印象づける要素です。
ヘルシー志向:コラーゲンたっぷり、胃にやさしく、脂っこくない
季節を問わず楽しめる:鍋でありながら、暑い時期にも重たくない
食材の良さが引き立つ:スープの奥行きと鶏肉の旨味を堪能できる
水炊きは、単なるご当地グルメではなく、福岡の“もてなし”や“家族の団らん”の象徴でもあります。骨付き肉を煮込みながら、ゆっくりと語らう時間。その体験こそが、多くの人を魅了する理由の一つです。