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日別アーカイブ: 2025年8月25日

第15回水炊き雑学講座

皆さんこんにちは!

金色、更新担当の中西です。

 

 

さて今回は

~“選ばれる水炊き屋”~

 

水炊きは“シンプルゆえに差が出る”料理。出汁の質×衛生×オペ×接客がそろうと、同じ良さを速く届けられます。ここではオーナー・店長向けに、仕込み→提供→〆→評価の実装をまとめます。


1|出汁は“骨×時間×対流”で決まる 🦴⏲️💧

  • 骨の選定:親鶏のガラでコク、若鶏で甘み。首/手羽先/背ガラをバランスよく。

  • 下処理:血抜き→短時間の湯引き→氷水→水替えで雑味OFF。

  • 炊き方沸騰後は弱めの対流をキープ。強火連続は焦げ臭・えぐみの原因。

  • 白濁/清湯の作り分け:白濁は乳化温度帯を維持、清湯はアクを丁寧に

  • 塩分設計:初手は控えめ。卓上で塩・柚子胡椒・ポン酢に役割分担。


2|HACCP思考の衛生:生と加熱を“絶対に混ぜない” 🧼

  • 動線分離:生肉ゾーン/加熱ゾーンでまな板・包丁・トングを色分け

  • 冷蔵:チルド0〜2℃、仕込み後は即時冷却→急速チラー。

  • 提供時:卓上の生具材トングは“生専用”。加熱後の取り箸と混同NG。

  • 温度管理:鶏肉は中心75℃・1分以上を目安に。再加熱ルールを掲示。

  • スープ再使用禁止卓上で使った出汁の再利用はしない(食中毒リスク回避)。


3|“最初の一椀”で体験を設計する 🎯

  • 提供1分で小椀の澄ましを。お客様の“おいしいスイッチ”を入れる。

  • 鍋奉行がいない卓にはスタッフが最初の段取り(具の入れ順・火加減)を実演。

  • 〆は雑炊 or 麺入店時に選択→終盤の提供渋滞を回避


4|FLコストを“旨みで稼ぐ” 🧮

  • ガラ歩留まり:1Lあたりの骨重量・時間を標準化し、ロスと光熱費を可視化。

  • 野菜は季節で置換:キャベツ⇄白菜、長ねぎ⇄九条ねぎなど原価と甘みでスイッチ。

  • デザートの軽量化:柚子シャーベット・黒糖ゼリーなど高粗利の小甘味で満足度UP。


5|回転と安全を両立する“卓上設計” 🧯

  • IH×タイマー火加減の再現性を担保。

  • 鍋サイズは席構成に最適化(2人=18〜20cm、3〜4人=22〜24cm目安)。

  • 卓上サイン:火力目盛の“出汁育成/具投入/〆”をピクトで表示。

  • 動線:出汁ポットと〆セットのステーション化で歩数削減。


6|接客で“物語”を添える 🗣️🌿

  • 産地・銘柄鶏、柚子胡椒の手作り工程、ポン酢の熟成期間などを一言ストーリーに。

  • 薬味のおすすめ順(素→塩→柚子胡椒→ポン酢)をコースター裏に印刷。

  • お子さま対応:骨なし・辛味抜き・取り皿多めを先回り提案


7|ドリンクで粗利を守る 🍶🍋

  • 燗酒セット(ぬる燗・上燗)を三勺ちょい飲みで提案。

  • 自家製ゆずシロップサワー/ソーダ/お湯割りで多用途・高回転。

  • ノンアルの“温・冷”を必ず1種ずつ——ほうじ茶レモネード生姜ソーダが好相性。


8|DXと見える化 📱📊

  • 予約台帳:席だけ予約+〆の事前選択でピーク負荷平準化

  • 仕込みボード:ガラ投入時刻/抽出終了/歩留まりをデジタル掲示

  • KPI:提供開始までのファースト椀秒数回転率クレーム率、**レビュー★**を週次確認。


9|90日育成プログラム(例)🎓

  • Day1–7:衛生・温度管理・器具色分け・火傷/転倒防止

  • Day8–30:出汁の炊き分け実習(白濁/清湯)・アク取り・塩分設計

  • Day31–60:卓上オペ(具の順序・火加減)・“最初の一椀”提供ロールプレイ

  • Day61–90:〆のスピード仕上げ・クレーム一次対応・レビュー返信の型


10|“30日で変える”改善ロードマップ 🗺️⚙️

  • Day1–7:衛生SOP・温度基準をA4化/色分けツール導入

  • Day8–14:IH火力ピクト作成/“最初の一椀”手順を動画化

  • Day15–21:予約時〆選択の実装/出汁歩留まりダッシュボード稼働

  • Day22–30:ドリンクペアリング表リリース/KPI週次MTG開始


11|チェックリスト✅

[ ] 出汁の標準レシピ(骨比率・時間・塩分)
[ ] 生/加熱ゾーンの器具色分け・温度記録
[ ] “最初の一椀”提供基準(秒数・塩)
[ ] 卓上IHの火力ピクトと安全掲示
[ ] 予約導線(席+〆選択)・ピーク体制
[ ] KPI(回転・提供秒数・レビュー)運用


まとめ ✨

“選ばれる水炊き屋”は、出汁の再現性×衛生の徹底×卓上のわかりやすさ×小さな感動で勝ち続けます。
同じ良さを、速く、やさしく。 今日の一鍋が、明日の常連をつくります。🍲🤝🌟